押し花に向いている花の特徴や種類|不向きな花の扱い方も紹介
記事の監修
シンフラワー株式会社
シンフラワーはウェディングブーケやプロポーズの花束の保存加工専門店です。
花嫁様が結婚式で使った生花の花やプロポーズの花束を、特殊なドライフラワーの加工や押し花加工で半永久的に保存します。保存方法は押し花や立体的なガラスや3D(立体)額など、40以上の種類から理想の形で制作が可能で、種類の豊富さが特徴です。
最近はプロポーズの108本のバラの花束を残す特注額での制作依頼も増えております。
生花を手元に長く残したいときには、押し花にするのがおすすめです。押し花にしたあとは、ハンドメイド資材としてさまざまなアイテムに活用して楽しめます。ただ、ご自身で押し花を作ってもきれいに仕上がらなかった…という経験のある方も少なくないようです。一般家庭で押し花作りを成功させるには、押し花にする花の選び方を工夫することからはじめましょう。
今回は、押し花に向いている花の特徴をはじめ、具体的な花の種類を紹介します。はじめて押し花を作る方も、押し花向きの花を選べばハードルが下がります。また、押し花にするには難しい花を扱う場合のコツについてもお伝えします。きれいな押し花を作るために、ぜひ参考にしてください。
- 押し花をきれいに作る方法を知りたい方
- 押し花に向いている花と向いていない花を見分けたい方
- 大切な花をきれいな状態で長期保存したい方
押し花に向いている花とは
花にはさまざまな種類があります。大きさも形も、花びらの付き方や重なり方も、花によって違います。押し花にする際は、花を平たくして乾かすことをイメージしてみてください。元々平たい形状をしていて、そのままの形でもすぐに押し花にできそうなタイプの花は、押し花にしやすいことが多いです。押し花に向いている花の特徴としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 水分量の少ない花
- 花びらが薄めの花
- 花びらがあまり重なり合っていない花
この3つの特徴を兼ね備えた花を選べば、はじめて挑戦する場合でもきれいな押し花を作れる可能性が高いです。なぜこれらの特徴が押し花に向いているのか詳しく見ていきましょう。
水分量の少ない花
生花が傷んでしまうのは、水分を含んでいるからです。ドライフラワーや押し花は、生花から水分を抜いて乾燥させることで長持ちします。花によって水分含有量は異なり、水分の少ない花ほど短時間で乾燥します。きれいな押し花に仕上げるにはできるだけ早く水分を抜くことが重要なため、元々水分量が少ない花を選べば乾燥までの時間を短縮できるのです。
生花は切り花になっても生きているため、乾燥が完了するまでにも少しずつ劣化していきます。劣化が進む前に乾燥が完了すれば、より美しい状態で仕上がります。
花びらが薄めの花
水分量の少ない花には、花びらが薄いものが多いです。逆に、肉厚な花ほど水分をたくさん含みます。花びらに厚みがないと単に水分が抜けやすいだけでなく、平面状にしやすいため形よく仕上がりやすいというメリットもあります。
立体的なドライフラワーに加工する場合は、花びらが薄すぎると縮んだり丸まったりして、きれいに仕上がらないケースも少なくありません。
押し花は平面状に広げて乾燥させるため、ドライフラワーに向かない薄い花びらの花を保存したい場合にもおすすめです。
ただし、花びらが薄いと破れやすいため、押し花にする前も完成後も、力を加えずに優しく取り扱うようにしましょう。
花びらがあまり重なり合っていない花
花びらの量が少なめで、重なり合っている部分が少ない花のほうが乾くのが早いです。花びらが広がって咲いている花はまんべんなく乾燥するため、色ムラなどもできにくくきれいな仕上がりが期待できます。重なり合っている部分はできるだけ広げて押すことで、水分が抜けやすくなります。
後ほど詳しく説明しますが、花びらが重なり合っているボリュームのある花を押し花にしたい場合は、下処理が必要です。元々重なり合いが少ない花なら、下処理なしですぐに押し花にできるため手間もかかりません。
押し花に向いている花の特徴を持っていても、傷みはじめてしまっていたらきれいに仕上げることはできません。
咲いてからあまり時間の経過していない新鮮な花を使うことも、押し花作りを成功させるためのポイントです。
初心者でも簡単!押し花に向いている花の種類
押し花に使うなら、水分量が少なく花びらが薄めで重なり合いの少ない花がベストです。では、具体的にはどのような花が当てはまるのでしょうか。一般的に知られている花のなかで、とくに押し花に向いているものをいくつか紹介します。
パンジー
スミレ科の植物でヨーロッパ原産のパンジーは、初春~初夏にかけて花壇やプランターを彩る代表的な花です。丈夫で育てやすいため、ガーデニングに取り入れている方も多いのではないでしょうか。さまざまな色を楽しめますが、押し花にする場合は薄い色よりも濃い色のパンジーを選ぶのがおすすめです。
重なり合っている部分を少し開くようにして押しましょう。花びらが大きめなので、シワがよりやすいところがやや難点です。はじめて押し花を作るなら、同じスミレ科のビオラからはじめるといいかもしれません。
ビオラ
パンジーよりも小ぶりなサイズが特徴のビオラは、押し花初心者の方でも扱いやすい花です。パンジーと比べると厚みも少ないため、より早く乾きます。ビオラも色のバリエーションが豊富なため、色のきれいな押し花にしたいなら濃色を選ぶといいでしょう。
ご自身で育てたパンジーやビオラを押し花にする場合は、摘みたての新鮮なものを使うのがおすすめです。
アジサイ
初夏に全国各地で咲きほこるアジサイには、さまざまな種類があります。押し花にするなら、ガクアジサイの装飾花(粒状の花の周りを囲うように咲く4枚の花びらの花)が扱いやすいです。花びらが重なり合っているタイプのアジサイは、平らに広げるようにして押しましょう。
薄いグラデーションカラーがきれいなアジサイは魅力的ですが、ご自身で押し花にすると色あせしてしまうかもしれません。短時間で乾燥させる方法がベストです。色あせが目立たないようにしたいなら、やはり濃色のものを選びましょう。
コスモス
秋が旬のコスモスは、メキシコ原産のキク科の花です。花びらが薄いためドライフラワーにすると縮んで失敗しがちですが、平面状の押し花ならきれいな形に仕上がります。切り花としての流通は少なく、摘んだものを加工するケースが多いでしょう。茎は根元からカットして、花びらを平らに広げた状態で押すのがポイントです。
一般家庭で押し花にする場合は、白や淡いピンクのコスモスは褐色しやすいため、濃いピンクのものを選ぶといいでしょう。
サクラ
日本人になじみ深いサクラは、春に欠かせないバラ科の花です。東南アジア原産で、2~4月にかけて全国各地でさまざまな種類が見頃をむかえます。サクラは開花してから散るまでが早いため、押し花にして思い出に残したいという方も多いのではないでしょうか。コスモスと同様に花びらが薄くドライフラワーには不向きで、押し花にするのが最適です。
淡いピンク色の花が一般的ですが、濃い色のほうがきれいな色に仕上がります。また、乾燥シートを使うなど短時間で押し花にすると、ある程度は色あせを防げます。
ポピー
公園などでも見かける素朴な花で、春から初夏にかけて咲きます。ポピーは種類が豊富で、特徴も種類によって異なります。一年草や宿根草があり、色も形も多様です。いずれも花びらが薄く繊細で、切り花として飾っていてもすぐに花びらが散ってしまうため、摘んだら新鮮なうちに押し花にしましょう。
花は壊れやすいですが、生命力が強くたくさんの花が付き、開花も早いです。花畑などで摘んで持ち帰る場合は、蕾のついたものを選び、ご自宅で開花させてから押し花にするのがおすすめです。
ドライフラワーにしやすい花でおなじみのカスミソウやミモザは、押し花にも向いています。
立体的な花ですが水分量が少ないため、圧力をかけて平面状にしてもきれいに仕上がりやすいです。
これまで紹介した花は、自然に咲いているものやガーデニングで育てられるものも多いです。ご自身で摘んだ花を押し花にする際は、虫や土汚れなどが付いていないか確認してから作業に移りましょう。
押し花にするのが難しい花とは
押し花に向いている花がある一方で、押し花には向かない花もあります。基本的には、押し花向きの花とは逆の特徴を持つものは、押し花にするのが難しいです。水分量の多さや花びらの重なり合いの多さがネックとなります。詳しく見ていきましょう。
水分量が多く厚みのある花
押し花もドライフラワーも、短時間で水分が抜け早く乾くことがきれいな仕上がりにつながります。逆に水分量の多い花だと乾燥までに時間がかかり、しっかり乾くまでに変色や変形が起きてしまいやすいです。場合によっては乾燥が劣化に追い付かず、カビが生えてしまうことも。
水分量の多い花の多くは、花びらが厚いです。厚みのある花に無理に圧力をかけると、花の組織が潰れて水分が流出し、傷んだような見た目に仕上がってしまうことも少なくありません。水分が抜けにくいだけでなく、このような失敗が起きやすい点にも注意が必要です。
- ガーベラ
- チューリップ
- ユリ
花びらがたくさん重なり合う花
花びらの重なり合っている部分が多いと、厚みが出て乾燥しにくくなります。重なっていない部分と重なっている部分では水分の抜ける速度が違うため、色ムラができることも。また、そのままの状態で圧力をかけると、花びらがよれたり形が崩れたりして、元々の形とは違ったイメージに仕上がってしまうことが多いです。立体的な花でもカスミソウのようにサイズが小さければ押し花にしやすいですが、大きめのサイズで重なり合いが多いと美しく仕上げるのが難しくなります。
- カーネーション
- バラ
- ラナンキュラス
このような押し花には向かない花は、一般家庭できれいに仕上げることが難しいです。ただし、必ずしも押し花にできないわけではありません。ここからは、押し花に向かないけれど残したい花がある場合に、おすすめの方法を紹介します。
押し花に不向きな花をきれいに仕上げる方法
押し花に向いている花もあれば、不向きな花もあることをお伝えしました。押し花にするのが難しい厚みや重なり合いの多い花は、次のような下処理を行うことで比較的きれいに仕上げられます。
厚みのある花は裏面を削いで薄くする
花そのものに厚みがある場合は、厚みを減らすことで水分が抜けやすくなります。ガクの部分が厚い場合は、花びらの付け根を傷付けないように少しずつカッターで削ぎましょう。押し花にしたときに裏面にあたる部分の厚みを削ぐことで、見た目に影響を与えず薄くすることができます。
茎なども一緒に押し花にしたい場合も、縦に削ぐことで裏面が平らになります。押す前にある程度厚みを減らせば、その分乾燥時間も短縮します。
花びらが重なり合う花はバラバラにしてから押す
バラなど花びらが層になっている花は、一枚ずつ花びらを分解してしまいましょう。花びら自体の厚みがそこまでなければ、一枚ずつに分けて押し花にすれば重なり合いが解消されるため短時間で乾きます。しっかり乾燥させたあとに、元の形に組み立て直すこともできます。
ただし、花びらが多ければ多いほど押し花を作るスペースも広く確保しなければならなくなります。一度にたくさんの花を加工するのは難しいかもしれません。ご自宅で花びらを分解して押し花にする際は、あらかじめどのくらいのスペースが必要か想定しておくといいでしょう。
保存加工専門店に依頼する
スペースの確保ができても、一般家庭で美しい押し花を作るには限界があります。とくに、思い出に残しておきたい大切な花は慎重に加工する必要がありますが、実際は色ムラやシワができてしまう、きれいに仕上がっても短期間で劣化してしまうといったケースも多いのです。
そこで、記念に残したい大切な花を押し花にする場合は、無理にご自身で加工せず保存加工専門店を利用してはいかがでしょう。押し花は、完成してからは元に戻せません。失敗したら廃棄するしかないため、大切な花を確実に残したいならプロの手を借りるのが一番です。
一般的には押し花にするのが難しい花や淡い色の花でも、それぞれの花に合わせたベストな方法で仕上げます。美しさが長持ちする高品質な押し花を手にすることができますよ。
半永久的に保存できるシンフラワーの押し花
ブーケ保存加工専門店のシンフラワーは、お客様の幸せを第一に考え、すべての作業を機械ではなく人の手で行います。見落とされがちな細かい部分も丁寧に仕上げますので、大切なお花を一番美しいときのイメージのままいつまでもそばに置いておけます。
ウェディングブーケのご依頼を中心にお受けしていますので、バラなど花びらの重なり合う花の加工実績も豊富です。花びらを一枚ずつに分け丁寧に押していくため、シワのない美しい押し花ができます。
褪色を感じない特殊加工で長持ち
一般家庭で押し花を作る場合、淡い色の花はどうしても茶色っぽくなったり色が抜けたりしてしまいます。そのため、濃色の花を選ぶようおすすめしてきました。ですが、ウェディングブーケやもらった花束などを残したい場合は、押し花にしやすいという理由で色を選ぶのは難しいかもしれません。
シンフラワーでは、花に合わせて色の定着作業や必要に応じて着色を行うため、淡い色の花でも美しさが長持ちし、早期に色あせが起きてしまう心配もありません。どのようなお花でも、鮮やかさが長持ちするよう、それぞれに合った方法で丁寧に加工しますのでご安心ください。
そのまま飾れるフレームアレンジが魅力
シンフラワーでは、できあがった押し花をフレームアレンジに仕上げてお客様にお戻しします。たとえば、ウェディングブーケの押し花加工をご依頼いただいた場合は、分解する前のブーケの形を平面状に再現します。束ねていたリボンや包装紙も一緒に保存できます。
ブーケ型だけでなく、ハート型やリース型、花びらを敷き詰めたデザインなど、好みのアレンジをお選びください。また、フレームも多様なデザインから選べるため、お部屋の雰囲気に合わせるといいでしょう。
フレームのサイズも選べるため、ブーケや花束をまるごと入れることも、一部のみを残すこともできます。
シンフラワーの押し花シリーズでは、刻印サービスも行っています。お部屋の好きな場所に飾ってインテリアアイテムとして楽しむほか、プロポーズや記念日の花束を押し花にしてウェルカムボードとして活用される方もいらっしゃいます。
また、押し花とともにドライフラワーへの加工も承っていますので、お花を立体的に残すことも可能です。
まとめ
押し花をきれいに仕上げるには、短時間で乾燥させることが大切です。そのため、元々水分量の少ない花を選ぶと、自然と乾燥までの時間を短縮できます。厚みが少ないこと、花びらがあまり重なり合っていないことが、押し花に向いている花の条件といえます。その逆の特徴を持つ花を押し花にするには、厚みを減らす、花びらを分解するなどの下処理が必要です。
押し花に向いている花も不向きな花も、一般家庭で美しく長持ちするものに仕上げるには限界があります。とくに、思い入れのある花をできるだけきれいな状態で長く手元に置いておきたいなら、保存加工専門店で押し花にする方法がおすすめです。大切な花の保存加工をお考えの方は、ぜひシンフラワーでの加工をご検討ください。
- 押し花に向いている花の特徴は、厚みや重なり合いがあまりなく、水分量が少ないこと
- 押し花に不向きな花は下処理を行えば加工できるが、きれいに仕上げるには限界がある
- 大切な花や押し花にするのが難しい花は、保存加工専門店に依頼するとよい