花束は何日持つの?長持ちさせるためにできること
記事の監修
シンフラワー株式会社
シンフラワーはウェディングブーケやプロポーズの花束の保存加工専門店です。
花嫁様が結婚式で使った生花の花やプロポーズの花束を、特殊なドライフラワーの加工や押し花加工で半永久的に保存します。保存方法は押し花や立体的なガラスや3D(立体)額など、40以上の種類から理想の形で制作が可能で、種類の豊富さが特徴です。
最近はプロポーズの108本のバラの花束を残す特注額での制作依頼も増えております。
花束をもらったら、嬉しい反面お手入れをうまくできるかな…と不安になる方もいるかもしれません。せっかくの美しい花束ですので、できるだけ長く生けて楽しみたいですよね。では、花束は実際のところ何日持つものなのでしょうか。
今回は、生花の花束が何日持つのか、また、長持ちさせるために行うとよいことをお伝えします。生き生きとした姿を長く楽しむためのお手入れのコツや、生花の保存期間を超えて手元に残したい場合におすすめの方法も紹介します。花束を最後まで楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
- 花束が何日持つか知りたい方
- 花束(切り花)を長持ちさせるためのお手入れ方法を知りたい方
- 特別な花束を記念に残したい方
花束は何日持つ?
花束(切り花)の日持ちの目安は、だいたい10日間程度とされています。ただし、これはあくまでも目安です。気温(室温)や花の種類によっても、実際どのくらい持つかは異なります。そこで、季節ごとの目安や長持ちしやすい花の種類なども含め、花束が何日持つのか紹介します。
また、花束は気温により日持ちが左右されますので、季節に限らず温度変化のある環境下では影響を受けやすいです。さらに、温度のほかにも、日持ちに影響を与える要因があります。この花束を置く・生ける環境に関しても詳しく見ていきましょう。
季節によって異なる
切り花は涼しいほうが長持ちします。一般的には、寒い時期(冬)が最も長く2週間程度、春や秋は1週間~10日ほど、夏場は4~5日ほどが日持ちの目安です。ただし、気温が低ければ低いほどよいというわけではありません。家庭の冷蔵庫内のような低温すぎる環境では、花束は逆に傷んでしまうため注意が必要です。
冬は、暖房の効いた部屋では20℃以上になるのが一般的ですね。室温20℃程度なら部屋に飾っても日持ちはしますが、25℃を超えると夏場のエアコンの効いた部屋とあまり変わりません。つまり、夏場の日持ちが目安となるでしょう。冬季でも暖房でポカポカの部屋は避け、なるべく涼しい場所に飾ったほうが長持ちします。
切り花を観賞する間はお手入れが必要です。
何もお手入れをせず生けっぱなしの場合は、目安よりも早い段階で傷んでしまいます。
花束を長持ちさせるお手入れ方法は、後ほど詳しく紹介します。
花の種類によっても変わる
花束を長持ちさせたい場合は、日持ちしやすい種類の花を選ぶのもひとつの方法ですが、もらうことの多いアイテムですのでご自身で選ぶことは難しいかもしれません。ですが、長持ちする花はお手入れ次第で観賞できる期間も延ばせます。一般的に日持ちしやすいとされる花を紹介します。
まず、通年入手しやすい花では、カーネーションやガーベラが日持ちしやすいとされています。とくに、スプレーカーネーションは枝分かれになっている花が順に咲くため、長く鑑賞を楽しめます。ユリや洋ランなども順に咲くという意味で日持ちしやすいです。菊やマーガレットも、長持ちする花の代表格といえるでしょう。
切り花の場合は、枝分かれになっている花を生けるときに剪定してスッキリさせたほうが、長持ちすることもあります。
枝分かれが多くて花が混み合っている場合は、剪定した小枝を別の花瓶に生けて楽しみましょう。
日持ちが悪くなる要因
夏の日持ち目安が最も短いことからもわかるように、花束(切り花)は高温に弱いです。季節による気温の変化に加えて、暖房の効きすぎた部屋で飾ったり、熱源のそばに置いたりすることも、花束を傷める要因となります。
また、植えた花は日光に当てると元気に成長しますが、花束は逆。花瓶の水の温度が上がり腐敗しやすくなるため、直射日光の当たらない場所に置いてください。 風通しの悪い環境も、花束にはよくありません。切り花も呼吸をしているため、湿度が高すぎると蒸れてしまい傷みやすくなります。
もらった花束をラッピングをしたままの状態で置いておくと、蒸れてしまいます。できるだけ早くラッピング材を外し、花瓶に生けましょう。
ただし、「そのまま飾れる花束」はラッピング材が花束の役割を兼ねているため、この限りではありません。
水を替えない、傷んだ部分をそのままにするなど、お手入れが不十分なことも、切り花を傷める要因です。適切なお手入れを行うことで、花の美しさを最大限に楽しめます。無理のない範囲で、こまめなお手入れを心がけることが大切です。
花束を長持ちさせる生け方
ここからは、花束をできるだけ長持ちさせるために行いたいことを詳しく紹介していきます。花束を長く楽しむには、最初が肝心です。ラッピング材を外したら、花瓶に生ける前にひと作業行うことで、花の持ちがグンとよくなります。生けるときにぜひ行ってほしい「葉や蕾をスッキリさせる作業」と「水揚げ」を中心に、見ていきましょう。
余分な葉や蕾を除去
一般的な花束は、ブーケと異なりそのままの形で花瓶に生けるのが難しいです。長さもありますし、「三方見」といって背面のあるデザインのため、どの角度からもきれいに見えるように生けるには、カットしなければならない部分がたくさんあります。このカットをする際に、余分な葉や蕾を取り除いておくのがポイントです。
花束を作る段階では、ボリュームを出す目的もあり、葉や蕾はあえてそのままたっぷりとついた状態で束ねることも多いです。そのため、生ける際には花が窮屈にならないよう上手に間引くことが大切です。葉や蕾を適度に取り除いてスッキリとした状態にしてから生ければ、水分が行き渡りやすくなり、鮮度も保たれやすくなりますよ。
花瓶のサイズに合わせて茎をカットすると、葉っぱや枝が下のほうまで残った状態になります。
水に浸かる部分に葉などがついたままだと、ふやけて腐敗の原因になるため、すべて取り除いてから生けましょう。
たっぷり水を吸わせる
花束を生き生きとした状態に保つには、水分を十分に行き渡らせることが大切です。そこで、生ける前に「水揚げ」という作業を行いましょう。手順は簡単です。清潔なバケツに水を入れ、切り花の茎を浸して水中でカットします。その後、30分~1時間程度そのまま浸けておくと、水を吸い上げていきます。
茎を垂直ではなく斜めにカットすることで、切り口の面積を広げるのがポイントです。
切り口が広くなるとより効率的に吸水できます。必ず消毒した切れ味のよい刃物でカットしましょう。
この水揚げというひと手間を加えるだけで、花束の持ちがよくなりますし、花もより生き生きとしてきます。とくに、もらってから時間の経ってしまった花束などは、しおれはじめている場合もあるでしょう。水揚げにより不足している水分を補えば、きれいな姿が復活しますのでぜひ試してみてください。
清潔な花瓶と適量の水
水揚げを行ったら花瓶に生けましょう。ご自宅に花瓶がなければ、ピッチャーやグラスなどの食器のほか、代用できる器を使っていただいてかまいません。重要なのは、花瓶や花器を必ず清潔な状態にしておくことです。きれいな水を入れても容器が汚れていたり菌がついていたりすると、水もすぐ汚染されてしまいます。汚れた水を吸えば花も傷んでしまいますので、洗剤で洗ってよく乾かした花器を用いましょう。
水の量は、基本的に浅めに入れます。5cm程度が一般的な目安です。水の量が多すぎると茎がふやけて傷みやすくなってしまうため、入れすぎないようにしましょう。切り口がしっかり浸かる、枯渇しない程度の水分量を保つようにしてください。ただし、水の量には例外もあります。
菊や枝ものなどは、植物自体が重く水もよく吸います。水量が少なすぎるとすぐに枯渇したり、花瓶が軽すぎて倒れてしまったりするため、やや多めに入れましょう。
また、湿度が低いと水も減りやすくなります。部屋が乾燥しがちな冬季は、やや多めに入れておくと蒸発を防げます。
生けたあとのお手入れのコツ
花束が何日持つかは、生けたあとの管理の仕方によっても変わります。花に水を十分に吸わせる必要があるのは、最初の水揚げのときだけではありません。生けている間にも、しっかりと清潔な水を吸わせ続けることが、長持ちさせるためのコツです。そのために、日頃のお手入れとして「水替え」「花瓶の洗浄」「茎のカット」の3つを行いましょう。
また、観賞中に花がしおれてしまったら、水揚げで復活できる可能性があります。お手入れのコツを詳しく紹介します。
水替えや花瓶の洗浄で清潔を保つ
花束を生けている水は、日に日に汚れていきます。そのままにしていると水が雑菌だらけになり花も傷んでしまうため、水替えが欠かせません。そして、水を替えるタイミングで花瓶の洗浄も行うことが大切です。さらに、茎のぬめりなどもやさしく取り除きましょう。
水替えは、気温の高い時期は毎日行いましょう。涼しい時期でもできれば毎日入れ替えるのが望ましいです。
最低でも2日に一回は新しくして、常に清潔な状態を保ちましょう。
水替えを毎日行うのが難しい方は、市販の切り花専用延命剤を使用するのもおすすめです。花に必要な栄養成分に加えて、雑菌の繁殖を防ぐ成分も含まれています。ただし、延命剤を使えば水替えが不要というわけではありません。水道水のみに生ける場合と比べれば頻度は少なくても日持ちしますが、数日に一回程度、水が濁らないうちに替えるようにしましょう。
茎の断面を新しくする
茎は水にずっと浸かっていますので、次第にふやけて切り口も古くなっていきます。そのままにしていると水の通る導管の入り口が潰れてしまい、うまく吸水できなくなってしまいます。そのため、少しずつ茎をカットして切り口を新しくしてあげましょう。
カットする際は、水揚げの際と同様に断面を潰さないよう鋭利な刃物で斜めにスパッと切りましょう。
何度も少しずつ切っていくことを想定して、あまり茎を短くしすぎないことが大切です。
こまめにカットしていれば起きにくいですが、花の種類によっては水に浸かっている部分がすべてふやけてしまっていることも。ふやけて腐ってしまった部分は、思い切ってすべてカットしてしまいましょう。
しおれた花は水揚げで復活
生ける前に行った水揚げは、しおれた花の復活方法としても効果的です。水中で茎をカットする「水切り」が一般的ですが、ほかにも「湯揚げ」などがしおれた花によく用いられています。湯揚げは、80℃程度の熱湯に茎を浸けることで導管に入った空気を抜き、その後水に浸けて吸水の効率を上げる方法です。水切りであまり効果が得られない場合に試すといいかもしれません。湯気で花や葉が傷まないよう、新聞紙で覆って行いましょう。
水を効率よく行き渡らせるためには、余分なものを取り除くことも大切です。
枯れて硬く閉じてしまっている小さな蕾なども、そのままつけていても開くことはありません。傷んだ部分、枯れた部分はこまめに取り除きましょう。
花束を長期保存したいなら加工しよう
花束は、涼しい環境のもと、お手入れをこまめに行い清潔な水を十分に吸わせ続けることができれば、長持ちするとお伝えしました。ですが、何日持つかというと長くても2週間程度。それ以上飾り続けていると、少しずつ劣化して、やがては傷み枯れてしまうことは避けられません。特別に思い入れのある花束は、傷んでしまう前に長期保存のできる花材に加工するのがおすすめです。
美しさのピークを迎えた花束を保存するには、乾燥させてドライフラワーか押し花にするといいでしょう。では、加工したものは何日持つのか、また、長持ちさせるにはどうしたらいいのか見ていきましょう。
加工した花束は何日持つ?
花束をドライフラワーや押し花に加工すると、水分が抜けているため日持ちがよくなります。生花では2週間ほどが限度ですが、数ヶ月~数年の期間、手元に残すことができます。一般的にはドライフラワーは数ヶ月~1年程度、押し花は1~3年程度で寿命を迎えるといわれています。
ドライフラワーも押し花も元々は生花だったものですので、時間が経つにつれゆっくりと劣化はしていきます。ですが、保管状態が悪くなければ腐ってしまうことはほぼありません。そのため、寿命の捉え方も人それぞれです。ご自身にとって美しく感じられなくなるまでは、手元に置いておいてもいいでしょう。
ドライフラワーも押し花も、乾燥するまでに時間がかかると色あせが進行しやすいです。
さまざまな加工方法がありますが、ドライフラワーの場合は部屋の湿度に影響を受けにくいシリカゲル法で作ると、仕上がりも美しく長持ちしやすいと考えられます。
押し花やドライフラワーを長持ちさせるコツ
まずは長持ちする加工花にするためのコツとして、新鮮なうちにできるだけ早く作成することが大切です。傷みはじめてから加工しても、乾くまでに劣化がどんどん進んでしまうため、きれいに仕上げられません。新鮮な生花を使って押し花やドライフラワーに仕上げたら、湿気を吸わないように気をつけましょう。水気は大敵ですので、水回りに飾ることは避けてください。ハンドメイド資材として保存する際は、乾燥剤と一緒に密閉(密封)しておくと安心です。
また、直射日光を浴び続けると色あせやひび割れが起きてしまいます。強い光を直接当てることは避けましょう。湿気と直射日光(強い光)を避けた環境で保管することを心がければ、より長く楽しめます。
花にほこりが付着したまま放置すると、空気中の水分や油分と混ざってこびりついてしまいます。
掃除ができない状態になる前に、こまめに取り除くようにしましょう。
美しいまま長期保存できる専門店での加工
ご自宅でもドライフラワーや押し花を作ることはできますが、数ヶ月~数年の寿命では短すぎる…と感じる方もいるかもしれません。大切な花束をもっと長い期間お手元に置いておきたい場合は、保存加工専門店を利用する方法もあります。一般家庭での方法とは異なる専門技術による加工で、美しさが長続きする加工花に仕上げるため、数年~数十年間に渡る保存が可能です。
数多くの保存加工専門店がありますが、加工方法(技術)はお店によって異なります。
早い段階での劣化やイメージ違いなどの失敗を避けるためにも、特徴を比較しながら慎重に選ぶことをおすすめします。
大切な花束の保存はシンフラワーへ
ブーケ保存専門店のシンフラワーでは、ウェディングブーケやプロポーズの花束などを中心に、お客様の大切なお花をお預かりして押し花かドライフラワーに加工します。すべての工程を手作業にこだわり、ひとつひとつ丁寧に仕上げますので、生花の頃の美しさをそのまま半永久的に楽しんでいただけます。
また、加工した花はすべてそのまま飾れるおしゃれなインテリアアイテムにアレンジします。もちろんケース入りのため、お手入れも簡単。記念品を兼ねたお気に入りのインテリアとして、お楽しみください。花束やブーケの形に組み直したデザインを選べば、生花の花束のイメージを損なうことなく、お手元に残しておくことができますよ。
まとめ
花束が何日持つかは、季節や花の種類、お手入れの仕方によって変わります。なるべく涼しい環境を維持し、新鮮な水をしっかりと吸い上げられるようお手入れを行うことで、2週間程度は観賞を楽しめるでしょう。こまめなお手入れが難しい方は、市販の延命剤を活用するのもひとつの方法です。
生花として楽しめる期間だけでは短いと感じる方は、ドライフラワーか押し花に加工すればより長持ちさせられます。ご自宅でも加工できますが、より美しく長く手元に残したい場合は、専門店のご利用もぜひご検討ください。
- 花束は数日から2週間程度観賞できるが、何日持つかは環境や花の種類、お手入れの仕方にも影響を受ける
- 水揚げや水替えを中心とした適切なお手入れを行うことが、生花の日持ちをよくする
- 大切な花束を長期保存したいなら、ドライフラワーか押し花に加工しよう